巷ではHHKB(Happy Hacking Keyboard)の評価が高いと聞いているけど、実際のところどうなの?
HHKBは界隈で今人気の高級キーボードでその評価は高いのですが、人によっては使いにくいといった声を耳にします。そこで私も購入してみたのでレビューをしていきます。
結論から申し上げると、素晴らしいキーボードなのは間違いないのですが、私には合わないキーボードでした。
しかし仕事内容や用途によってはこのキーボードとガッチリ噛み合う人もいることでしょう。
おすすめできる人、できない人、購入のメリット・デメリットなど徹底的にみていきます!
購入の検討をされている方はぜひご参考にしてください!
- HHKB(Happy Hacking Keyboard)ってどんなキーボード?【総まとめ】
- HHKB(Happy Hacking Keyboard)が私に合わなかった理由
- HHKB(Happy Hacking Keyboard)の良い点
- HHKB(Happy Hacking Keyboard)をおすすめできる人
- HHKB(Happy Hacking Keyboard)をおすすめできない人
- 価格を抑えたおすすめできるキーボード【3選】
今回私が購入したものは【Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S 日本語配列/墨】というものです。
このキーボードの概要からみていきましょう。
Contents
HHKB(Happy Hacking Keyboard)ってどんなキーボード?【総まとめ】
HHKBはHappy Hacking Keyboardの略となっており、メーカーはPFUです。(公式サイト)
今回私が購入したのはHHKBのラインナップの中でもHHKB Professional HYBRID Type-Sというモデルで最新のものです。
代表的な特徴は次のようなものが挙げられます。
静電容量無接点方式
キー内部の電極が接触しないため高い耐久力と心地の良い打鍵感が特徴です。
静電容量無接点方式の他にはメンブレン、メカニカルというものがあります。比較してみましょう。
方式 | 打鍵感 | 価格 | 特徴 |
---|---|---|---|
メンブレン | ボタン下のゴムをムニムニ押す感覚 | 安価 | PC購入時に付属で付いてくることが大半。量産型。 |
メカニカル | ボタン下のスイッチをカチカチと押す感覚 | 比較的高価 | 押した感覚や音が様々。軸によって好みが分かれる。 |
パンタグラフ | 浅めのボタンでカタカタと押す感覚 | 安価~高価 | ノートPCで採用される。MACのMagic Keyboardはこれ。 |
静電容量無接点 | スコスコと抜けるような感覚 | 高価 | 高級キーボードの象徴。打鍵感が心地良い。 |
静電容量無接点方式は高級キーボードの証です。擬音で示すとスコスコという感じで軽やかに入力できます。
この極上のキータッチの感覚は一度使用すると忘れられず、使用したものを静電容量無接点キーボード沼へ引きずり込みます。
そして静電容量無接点方式のキーボードはなんと言っても非常に高価です。このHHKB Professional HYBRID Type-Sは、PFUダイレクトの価格で税込み36,850円となっており、高級キーボードの存在を知らない人にとっては信じられないという感じではないでしょうか。
とにかく文字を入力する媒体であるキーボードをとことん追究した入力方式なのです。
最小限のキーでコンパクトサイズを実現
HHKBの特徴としてはやはりこのサイズ感は外せません。A4の半分のサイズ程度で非常にコンパクトに設計されています。
これはキーボードのホームポジションを崩さずにすべてのキーを入力できるようにしているためです。
HHKBのキーボードは60%キーボードといって、必要最低限のキーのみを配置してキーボードのサイズを小さくしています。キーボードのサイズについては基本的に次のような種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
60%キーボード | 無駄を省いた省スペースなキーボード。ファンクションキーなどはFnキーと連携して使用する。 |
テンキーレスキーボード | フルキーボードからテンキー部分を取り除いたもの。 |
フルキーボード | すべてのキーが配置されている。 |
次の画像のように、フルキーボードをサイズ100%とすると、HHKBのサイズ感は60%ほどになります。
従来品と比較して打鍵音が小さい
この商品はHHKB Professional HYBRID Type-SというものですがType-Sというのは、Speed(高速タイピング性)とSilent(静粛性)に優れるといった意味を持ちます。
Type-S以前の製品と比較しても打鍵の音が小さくなっていることを示します。
このような高級キーボードはプライベートというよりも業務で使用する人が比較的多いので、オフィスでもあまり音が大きいと迷惑になりがちです。Type-Sは高速での入力と静音性を両立したキーボードと言えます。
Bluetooth接続と有線接続可能
そしてHYBRIDと名前に入っている通り、有線接続とBluetooth接続の両方に対応しています。
ちなみにBluetooth接続の場合はキーボードへの給電は電池で行い、有線接続の場合はPCからUSBで給電します。
Bluetooth接続ではデバイスをあらかじめ登録(4台まで)しておくことにより、簡単なキー操作で目的の機器とすぐに接続できます。
OSもWindows、Mac、Android、iOS、iPadOSに対応し、まさしくデバイスの種類を選ばずに使用できます。
キー配置のカスタマイズが可能
キー配置の変更はDIPスイッチで行うか、キーマップ変更ツールを使用する2種類の方法があります。
DIPスイッチ
キーボードの裏にはDIPスイッチが付いており、このスイッチを変更することでキー配置をカスタマイズできます。
キーボード背面の蓋を開けるとこのようなスイッチが見えます。
このスイッチをOFF/ONすることで一部のキーの配置変更が可能です。
DIPスイッチ | キー | OFF | ON |
---|---|---|---|
SW1 | --- | Windowsモード | Macintoshモード |
SW2 | [Control] 左[Fn] | Ctrl Fn | 英数 Ctrl |
SW3 | [BS] | BS | Del |
SW4 | [↑] [↓] [←] [→] | ↑ ↓ ← → | Shift ◇ Del Ctrl |
SW5 | 左[◇] 左[Alt] | ◇ Alt | Alt ◇ |
SW6 | --- | 通常モード | 省電力モード |
DIPスイッチでコントロールキーの位置を変更したりと、ある程度の変更が可能ですが、キーマップ変更ツールを使用するともっと変更に自由度が増します。
キーマップ変更ツール
キーマップ変更ツールは、【このキーを別のキーとして割り当てる】というカスタマイズが可能です。こちらからダウンロードして利用します。
キーマップ変更ツールを使えば特定のキーをどんなキーでも割り当てることができます。
極端な話、AキーをCtrlキーとして割り当てることができるというわけです。
つまりどんな特殊なキー割り当ても可能にすることから究極の自分好みのカスタマイズが可能と言えます。
HHKB(Happy Hacking Keyboard)が私に合わなかった理由
以上のようにHHKBには非常に優れた機能を持ち合わせていますが、逆にいうとマニアック性が高く万人に共通して使いやすいものではないと感じました。
私が実際にしばらく業務で使用してみて、合わないと感じた理由を挙げてみます。
金額に見合った効果が体感できない
よくよく考えてみると、キーボードはPCの周辺機器の一つに過ぎず、目的はただ文字を入力することです。
家電量販店で1000円前後で買えてしまうキーボードと高級キーボードを比較しても、機能面で違いはあるものの、最大の目的である文字を入力することについては差はありません。
高級キーボードはそのほかの打鍵感や補助機能などに付加価値をつけているのです。
しかし私にとってこのHHKBですが、打鍵感がとても心地良いとは感じているものの、3万円の価値をどうしても見出すことができませんでした。
使っていて、どうしてもできることに違いはないことが頭をよぎってしまうのです。一度その思考に陥ると抜け出せません。
これはいわゆる考え方、気持ちの問題ですが次からは機能的な面で合わないと考えたことを挙げてみます。
ファンクションキーやテンキーなどの独立したキーが必要
私はインフラエンジニアのため、職業柄IPアドレスなどの数字を連続して入力することが多いです。ブラインドタッチで数字を入力できるようになっても、どう頑張ってもテンキーでの入力の方が早いのです。
また業務効率化のためにプログラミングをしますが、その時のデバック時に独立したファンクションキーが欲しくなります。
右手はマウスに乗せたまま、左手でファンクションキーを押してデバックした方がよほど効率的です。
HHKBでファンクションの入力をしたい場合、Fnキーを押しながら数字キーを押す必要があるので、頻繁に両手操作が必要になります。これでは開発効率が落ちてしまいます。
私にとってファンクションキーを片手で入力できるかどうかが結構ネックでした
思っているほどキーのカスタマイズをしない
キーの配置を自由に変えられるためカスタマイズ性は非常に高いのですが、実際使ってみるとそこまでカスタマイズしないことに気づきます。
私はCtrlキーはやっぱり左下にないとしっくりこなかったので、その変更をしていますがあとは特に変更をしていません。
逆に変更しすぎると慣れないうちは常に意識しないとタイピングできない事態になり効率が下がります。
あまりカスタマイズしないとなるとこのキーボードの良い点を潰してしまっている気がしてなりません。
HHKB(Happy Hacking Keyboard)の良い点
そんなHHKBですが良い点もありますのでご紹介させてください。
人が感じる感想は千差万別なので、私には合わなかったとしても別の方にはピッタリなのかもしれません。
打鍵感が最高
正直これだけで買う価値はあると思います。打鍵感はキーボードの中でも最高級の静電容量無接点方式なので、気持ちのよく疲れにくい打鍵感を実現しています。
イメージとしては「スコスコ」と抜けるような打鍵感です。
この極上のキータッチはメンブレンのようなブニュブニュ感や、メカニカルのようなカチカチ感とは一線を画しており、一度触るとやみつきになります。
高いカスタマイズ性
私はあまりカスタマイズをするタイプではなかったのですが、自分好みのキーボードにしたい方にとってはメリットになります。
カスタマイズしてもそのキー配置に慣れるまで多少時間がかかりますが、慣れてしまえば自分が考えた最強のキーボードになります。
あまりカスタマイズしすぎると他のキーボードが使えなくなるといった弊害もありますが、HHKBは持ち運びもできますし、Bluetooth接続ができるので特に問題がないでしょう。
また、カスタマイズしたキー配置の情報はキーボード本体に保存されるので、持ち運びして他のデバイスに接続したとしてもキー配置が初期化されることはありません。
持ち運びに便利
HHKBのサイズは一般的なキーボードよりは一回り小さく、A4サイズの用紙の半分ほどの大きさです。
バッグ中のスペースを圧迫せず、仕事場、外出先、家などの拠点間の持ち運びに適しています。
いつでもどこでもHHKBを手元において作業ができるのはこれだけで魅力的です。
先程メリットに上げた高いカスタマイズ性と関連しますが、キー配置はキーボード本体に保存されているので、持ち運んだ先でいつもと同じキー配置で作業が可能です。
デバイスごとの違いを気にすることなく作業に集中できること間違いなしです。
HHKB(Happy Hacking Keyboard)をおすすめできる人
HHKBに限らず高級キーボードをおすすめできる人は次のような方です。
ブロガー、ライター
文字を大量に入力し記事を書き上げていくブロガー、ライターの方にはとてもおすすめできます。
長時間のキーボード入力は指に負荷がかかるので疲れにくいキーボードの選択が必要です。
また打ちやすさからタイプミスが減ることや、入力速度の向上にも期待できます。
文字を入力することに特化したキーボードは、文字を入力することを仕事とする方が使ったほうがいいに決まっています。
プログラマー、システムエンジニア
コードをガツガツ打ち込んでいくプログラマー、システムエンジニアなどの方にもおすすめできます。
集中してソースコードと向き合うときはできるだけ気になることを排除したいものですが、Type-Sというだけあって静音性も高いので集中できます。
また私の周りのプログラマー、システムエンジニアは特にこだわりが強く、キーボードをかなりカスタマイズする傾向にあります。
入力の効率化を重視し、自分だけのキー配置を考えてみるのも楽しみのひとつだそうです。
実際にHHKBユーザが会社にいました!
HHKB(Happy Hacking Keyboard)をおすすめできない人
HHKBは高機能で素晴らしい逸品なのですが、正直癖が強く人を選ぶと言っていいでしょう。
私のように肌に合わない方ももちろんいると思います。そこでおすすめできない人の特徴をあげてみます。
テンキー、ファンクションキーを多用する人
HHKBはテンキーがなく、ファンクションキーが独立してないため、この機能を多用する人にとってはおすすめできません。
これについては私が体感しているので自信をもって言えるのですが、数字を連続して入れるような方や、ファンクションキーを入力するために両手が塞がることを嫌う方には合っていません。
キーボードの使用頻度が低い人
高級キーボードは大量の文字を入力することを仕事とする方にはおすすめできますが、使用頻度の低い方にとっては価値が半減してしまいます。
HHKBの打鍵感やカスタマイズ性は非常に素晴らしいものですが、その価値を見いだせるのはキーボードを酷使する方やこだわりが強い方です。
また高価なものなので使用頻度の低い人には安価なキーボードで十分です。
キーボードに何万もするお金を払うことを躊躇する人
キーボードの目的は文字を入力することですが、それはどれだけ安いキーボードを使用してもその目的は達成できます。
家電量販店で1000円ほどで購入できますし、もっと安いものもあるでしょう。比較してHHKBは3万円台と非常に高額です。
つまり安いキーボードで目的は達成できるのにも関わらず、高級キーボードの付加価値のために費用がかかることに対して、許容できるかということを考えてみるといいでしょう。
そこまでして費用をかける必要があるのか、購入したあとにしっかりと活用できるのか、不安がある場合は購入を見送った方がいいかもしれません。
今のキーボードをグレードアップしたい方には次に紹介するキーボードがおすすめですよ!
価格を抑えたおすすめできるキーボード【3選】
でも安いキーボードではなんだか満足できないな・・・
という方に対して、そこまで高額でなく使いやすいキーボードをご紹介しましょう。
FILCO Majestouch 3
このキーボードは実は私が今現在使用しているメカニカルキーボードでとても手に馴染んで使いやすいです。
メカニカルキーボードにはキーの軸によって打鍵感が変わるので好みが分かれます。メカニカルキーボードの軸の種類や違いについてはまた別の記事にまとめようと思います。
FILCOのキーボードは癖がなく万人が使いやすさを実感できるのではないかと思います。
このタイプは刻印がキートップではなくキーの前の面に印字されているため、長く使用していても印字が消えて見えないということもありません。
サンワダイレクト メカニカルキーボード
少し値段を落とすとサンワダイレクトのこのあたりのキーボードが狙い目です。
1万円ほどだとメンブレンキーボードは見かけず、ほとんどメカニカルキーボードになります。
価格的にも現状のキーボードに満足していない場合は一段回グレードアップできるキーボードです。
Logicool G PRO ゲーミングキーボード
こちらはゲーミングキーボードですが、仕事にも使える性能を持っています。
会社で利用するのは少し目立ちますので在宅ワーク用にはいいかもしれません。
まとめ
今回私が購入したものは【Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S 日本語配列/墨】というものでした。
使用してみた結果、次の理由で私には合わないことがわかりました。
このキーボードは使用する方にとって考え抜かれた最高品質のキーボードであることは間違いありません。
なぜなら、持ち運びやすいようにコンパクトに設計し、誰にでも合うようにカスタマイズ性を高くし、Bluetoothと有線でどちらにも対応し、消音設計だからです。
カスタマイズを突きつけていけば自分好みの最高のキーボードに仕上げることができるポテンシャルを秘めています。
それ故に癖があるため人によっては使いにくいと感じる方もいるでしょう。私もその一人です。
しかし合う人にはドンピシャに合うキーボードだと思いますので、今のキーボードをグレードアップしたい方は、この記事を参考に気になった方は手にとってみてもいいのではないでしょうか。