基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験の受験方法が変わるってきいたぞ・・・
実証試験段階らしいが今までとどう変わるのか違い内容をわかりやすく説明してほしいな・・・
2022年8月現在、基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験は、CBT方式というテスト受験センターなどの特定の施設で受験する方式です。
情報処理技術者試験を運営するIPAより、この2種の試験の受験方式を変更するための実証試験をするという内容が発表されました。
今後受験をしようと考えている方にとっては受験環境が変わるとても重要なことですので、こちらの記事で内容についてしっかりと把握して行ってください!
本記事の内容- 基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験の受験方式がどのように変わるのか【CBTからIBTへ】
- 実証実験に参加するためには?
- 今回の実証試験が今後の情報処理技術者試験に及ぼす影響は?
Contents
基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験の受験方式がどのように変わるのか【CBTからIBTへ】
IPAから発表された内容について次のように概要をまとめました。
概要をチェックしましょう!- その①:CBT方式からIBT方式に変わるための実証試験をする
- その②:実証試験をする目的
- その③:試験範囲、出題形式は通年試験化後の内容に準ずる
- その④:参加費無料
- その⑤:開催日程などの募集要項
その①:CBT方式からIBT方式に変わるための実証試験をする
基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験は、現在はCBT方式での受験です。
IPAは将来的にIBT方式での試験も視野に入れ、今回実証試験を行うことにしました。
それではCBTとIBTは何がどう違うのでしょうか?
CBT | IBT | |
---|---|---|
受験場所 | 全国に点在するテストセンター | 自宅 |
使用する端末 | テストセンターのPC | 自宅PC |
不正対策 | 試験官による監視 | 参加者のモラルによる |
受験人数の制限 | テストセンターの空き状況による | 基本的に無制限 |
受験場所
一番の大きな環境の変化は受験場所です。
CBT方式は全国約300箇所にあるテストセンターで受験しますが、IBT方式は自宅での受験になります。
受験者からすると場所を移動しなくて自宅で手軽に受験することができます。
使用する端末
CBT方式はテストセンターに行って受験するので、テストセンターに設置されているPCで受験します。
一方IBTはインターネットに接続されている自宅PCで受験します。
不正対策
ここまで見て次のような疑問が湧くと思います。
自宅で受験するなんてカンニングし放題じゃん・・・
CBT方式はテストセンターで受験するので試験官の監視がありましたが、IBT方式は自宅での受験です。
たとえば次のような不正が考えられます。
- 受験用PCとは別に検索用のPCを使用する
- 参考書籍を閲覧する
- 替え玉受験をする
IBT方式の不正については受験者のモラルによると言えます。
試験によってはWEBカメラの使用を強制し、受験者の本人確認や、目線の移動などで不正を検知する方法もあります。
ただしIPAのプレスリリースには2022年8月現在WEBカメラを使用することは明記されていません。
今回の実証実験で、WEBカメラの使用を強制するかどうかについても検討するのではないかと思われます。
IBT方式が本試験に採用された際にこのあたりの不正対策がどうなるかも注目です!
受験人数の制限
CBT方式ではテストセンターで受験するのでどうしても定員があり、【この日に受験したいのにできない】なんてことがありました。
IBT方式では基本的に受験人数の制限は無いと考えていいでしょう。
参加人数が多すぎて、サーバへの接続負荷が上がりサーバダウンすることも考えられますが、CBTでの実績からある程度参加人数は予想できていますので問題ないでしょう。
基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験は2023年4月より、年2回の受験から随時受験できるように変わりますので、更に同じタイミングで受験する人が分散されます。
その②:実証試験をする目的
基本情報技術者試験も情報セキュリティマネジメント試験も、CBT方式になる前は、問題用紙が配られて解答用紙に手書きで答えを書いていく従来の試験でした。
新型コロナウイルスの流行を機に、人が一箇所に集まることを避けることが急務でした。
特に基本情報技術者試験は受験人数が多く、年2回の開催でしたので密は避けられず、IPAも対応を急ぐ必要がありました。
当時ITパスポートだけがCBT方式の試験でしたが、急ぎ基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験もCBT方式が採用されたという背景があります。
今回IBT方式の実証試験をする目的としては、プレスリリース上は【試験運営上の課題などの抽出を行います】としています。
大きい目的としては、インターネットを利用してさらなる受験者の分散を行うことが挙げられます。
それではIBT方式での試験運営上の課題とはどのようなものがあるでしょうか。
IBT方式の試験での課題- カンニングなどの不正対策はどうするか
- 試験範囲、出題形式は変更に必要があるか
- 試験時間は変更の必要があるか
以上のような課題を浮き彫りにする目的があります。
IBT試験は自宅で受験するため不正を検知することが難しいと考えられます。
不正が行われることを想定した上で問題が作られるのか、またWEBカメラの使用を強制し不正自体を制限するか、様々な問題を浮き彫りにし今後どのような形式にするかを検討することが目的です。
情報処理技術者試験は国家資格ですから公平さが求められます
どのようにIBTに適応していくかが気になるところです!
その③:試験範囲、出題形式は通年試験化後の内容に準ずる
今回の実証試験で試験範囲と出題形式は、2023年4月以降に適用される通年試験化後の内容と同じになります。
こちらの記事で2023年4月以降の基本情報技術者試験についてまとめていますのでご覧ください。
-
【実証試験でどう変わる?】基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験
2022年8月現在、基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験は、CBT方式というテスト受験センターなどの特定の施設で受験する方式です。 情報処理技術者試験を運営するIPAより、この2種の試 ...
続きを見る
その④:参加費無料
実証試験のため参加費は無料です。
合否判定もなく、試験結果画面には正答数が表示されます。
その⑤:開催日程などの募集要項
開催日程などの募集要項をまとめます。
募集人数 | 数百名~数千名 |
募集期間:FE(IBT方式) | ※募集人数に達したため、受付を終了しました |
募集期間:SG(IBT方式) | ※募集人数に達したため、受付を終了しました |
募集期間:FE・SG(CBT方式) | 2022年10月13日~12月13日 ※募集期間を延長しました |
試験期間:FE(IBT方式) | 2022年10月22日、10月29日、11月5日、11月12日、11月19日 |
試験期間:SG(IBT方式) | 2022年10月29日、11月5日、11月12日 |
試験期間:FE・SG(CBT方式) | 2022年10月22日~12月18日 ※試験期間を延長しました |
試験区分 | FE、SG (いずれか又は両方を選択可能。それぞれ1回受験可能) |
実施方式 | IBT、CBT(いずれかを選択可能) |
IBTとCBTを並行して開催することから、比較データがほしいことがわかります。
以上のことが目的です!
IBT方式にしたときに生まれる様々な課題を浮き彫りにし対策を練ることが大きな目的です!
実証試験に参加するためには?
実証試験に参加するには公式ページから申し込みます。
こちらのページで2022年9月15日12時ごろに申し込みのリンクが張られます。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_2022_ibt.html
実証試験に参加したい方は、概要をよく読んでおきましょう!
今回の実証試験が今後の情報処理技術者試験に及ぼす影響は?
ITパスポートや基本情報技術者試験、ネットワークスペシャリストなどは情報処理技術者試験という大きな括りの一つです。
今回の実証試験がその他の試験にどのように影響していくでしょうか?
現在の試験方式は次のようになっています。
試験区分 | CBT方式 | 紙ベース |
---|---|---|
ITパスポート | ◯ | |
基本情報技術者試験 | ◯ | |
情報セキュリティマネジメント試験 | ◯ | |
応用情報技術者試験 | ◯ | |
ITストラテジスト試験 | ◯ | |
システムアーキテクト試験 | ◯ | |
プロジェクトマネージャ試験 | ◯ | |
ネットワークスペシャリスト試験 | ◯ | |
データベーススペシャリスト試験 | ◯ | |
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 | ◯ | |
ITサービスマネージャ試験 | ◯ | |
システム監査技術者試験 | ◯ | |
情報処理安全確保支援士試験 ※正確には情報処理技術者試験ではありません | ◯ |
情報処理技術者試験はIT系唯一の国家資格という位置づけですが、【IT資格なのに紙に書き込む形式なの?】という声もちらほら聞かれていました。
当然と言えば当然ですね。
それでも問題は体系的に理解できるようにしっかりと練られており、紙ベースでも解くことで実力がつくのは間違いありません。
数年前も基本情報技術者試験や情報セキュリティマネジメント試験も紙ベースで行われていました。
この実証試験の結果によっては、他の試験もCBTもしくはIBTへの移行が前向きに検討されるかもしれません。
今後のIPAの動きに注目ですね!
まとめ
基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験のIBT方式の実証試験についてまとめました。
実証試験に参加することで、今後情報処理技術者試験がどのように変化していくかを体験できます。
現在の最新情報が知りたい方は公式ページをぜひご覧ください。