情報処理技術者試験 資格

【情報処理安全確保支援士】午後試験が令和5年秋期試験から変わります

悩める人

情報処理安全確保支援士の午後試験の出題形式が変わるって本当?

概要について詳しく知りたい・・・

情報処理安全確保支援士試験はIPAが運営し、情報セキュリティの安全を守るセキュリティエンジニアを目指す方などが受験する試験です。

令和5年度の秋期試験から試験制度が新しくなり、出題形式が変わると発表がありました。

その内容についてわかりやすくまとめています。

公式の発表はこちらから確認してください。

きんぎょ

この記事はこれから情報処理安全確保支援士の合格を目指す方に向けています

本記事の内容
  1. 情報処理安全確保支援士試験がどのように変わるのかがわかります
  2. 情報処理安全確保支援士試験が新制度に変わる理由
  3. 基本情報技術者試験の制度変更後の試験対策について

情報処理安全確保支援士試験の出題形式変更の概要

それでは具体的にどのように変更になるのかみていきます。

  1. その①:午後Ⅰ試験・午後Ⅱ試験の統合
  2. その②:試験時間の変更
  3. その③:出題数・解答数の変更
  4. 変更概要のまとめ

その①:午後Ⅰ試験・午後Ⅱ試験の統合

情報処理安全確保支援士試験は午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱという4つに区切られていて、それぞれの区分の問題を時間内に解くという形式でした。

午前Ⅰ午前Ⅱ午後Ⅰ午後Ⅱ
試験時間9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)
出題形式多肢選択式
(四肢択一)
多肢選択式
(四肢択一)
記述式記述式
出題数30問25問3問2問
解答数30問25問2問1問
従来の情報処理安全確保支援士試験の概要

今回変更の対象となったのは午後試験で、午後Ⅰと午後Ⅱが1つに統合されます

その②:試験時間の変更

新しい午後試験の試験時間は150分です。

従来の午後Ⅰ試験と午後Ⅱ試験を合わせて210分だったので、時間短縮が短縮されています。

その③:出題数・解答数の変更

新しい午後試験の出題数は4問になり、その4問のうちから2問を選んで解答します。

従来の午後Ⅰ試験は一問のボリュームがそこそこある問題を90分かけて2問解いていました。

新しい午後試験では150分かけて2問解くことになります。

つまり、従来の午後Ⅰ試験より一問のボリュームが大きくなることが予想されます。

比較して従来の午後Ⅱ試験はボリュームの大きい問題を120分かけて1問解いていましたので、午後Ⅱ問題よりは一問のボリュームは小さくなりそうです。

変更概要のまとめ

以上その①~③のような変更点があります。変更概要を表にまとめます。

午前Ⅰ午前Ⅱ午後Ⅰ午後Ⅱ
試験時間9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)
出題形式多肢選択式
(四肢択一)
多肢選択式
(四肢択一)
記述式記述式
出題数30問25問3問2問
解答数30問25問2問1問
従来の情報処理安全確保支援士試験の概要
午前Ⅰ午前Ⅱ午後
試験時間9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~15:00
(150分)
出題形式多肢選択式
(四肢択一)
多肢選択式
(四肢択一)
記述式
出題数30問25問4問
解答数30問25問2問
令和5年秋期試験からの情報処理安全確保支援士試験の概要

問題の出題範囲は変更がありませんので、今まで情報処理安全確保支援士の合格を目指していた方にとって無駄はありません。

情報処理安全確保支援士試験が新制度に変わる理由

なぜこのような試験の出題構成を変更するかというと次のような背景があるからです。

  1. その①:問題選択の幅と時間配分の自由度を拡大するため
  2. その②:午後試験を時間短縮することにより受験のハードルを下げるため
  3. 情報処理安全確保支援士試験が新制度に変わる理由まとめ

その①:問題選択の幅と時間配分の自由度を拡大するため

従来の試験の午後Ⅰは3問中2問解かなければならないため、問題選択の自由度が低いと言えます。

また、実際受けてみるとわかるのですが、午後Ⅰ試験は驚くほど時間が足りません。

90分という時間の中で1問45分というシビアな時間配分なので、たとえば一度この問題を解くと決めたら、もう後戻りする時間がありません。

問題文を読んでいるうちに難しそうだなと感じてもこの問題を解くしかなく、他の問題は簡単だったかもしれないな・・・とモヤモヤしながら解くことになります。

問題選択の自由という観点では、新しい午後試験では4問のうち2問を選択するため、受験者の得意分野で勝負することができ、まさしく問題選択の自由度が上がったと言えます。

受験者にとって問題選択と時間配分の自由度が上がることはとても受験しやすくなりました。

その②:午後試験を時間短縮することにより受験のハードルを下げるため

午後試験の時間が210分から150分に短縮されることにより、試験での拘束時間が少なくなりました。

情報処理安全確保支援士試験を受ける受験者の平均年齢は34歳前後と、ある程度業務で活躍している方や、結婚をして家庭を持っている方もいることでしょう。

そして試験日は毎回日曜日と決まっているので、家庭の用事がある方や、平日激務をこなしている方にとって拘束時間が短縮されることはとても負担が軽くなります。

このように単純に拘束時間を短縮することで受験のしやすさがぐっと下がり、受験者側も開催側も両方にメリットがあるのではないでしょうか。

情報処理安全確保支援士試験が新制度に変わる理由まとめ

情報セキュリティの脆弱性を突いたセキュリティ脅威が増えている昨今、社会的にも情報セキュリティの分野に精通した人材を育てるということが急務になってきています。

そのためには情報処理安全確保支援士を始めとする資格試験を、受験しやすくする必要があります。

今回試験制度が変わる理由は単純で、受験者にとって受験しやすることが第一なのです。

基本情報技術者試験の制度変更後の試験対策について

今までの試験と比較して試験対策がどのように変わるでしょうか?

出題範囲は変わりないので、学習する範囲については市販の参考書の内容で問題ありません。

過去問題の演習をするときには午後Ⅰと午後Ⅱ両方やっておいたほうがいいでしょう。

なぜなら一問にかける時間配分が今までの午後Ⅰと午後Ⅱの中間だからです。

旧制度:午後Ⅰ旧制度:午後Ⅱ新制度:午後
試験時間90分120分150分
一問にかける時間45分120分75分
午後試験の一問にかける時間の新旧制度の比較

問題のボリュームも今までの午後Ⅰと午後Ⅱ試験の中間くらいになると予想できるので、午後Ⅱ試験も十分に対策しておいたほうがよさそうです。

つまり、今までの受験対策と何ら変わりありませんので、今まで学習を進めていた方も安心してください。

まとめ

いかがでしょうか。

情報セキュリティの分野はIPA(公式)がとても必要になると予想し、その人材確保を進めている分野です。

そのために情報処理安全確保支援士試験の受験のハードルを下げ、受験者数を増やしたいという意図が見て取れます。

これは少しずるい作戦なのですが、試験制度が変わるタイミングというのは、合格率が安定しないという傾向にあるため合格する可能性が上がると考えます。

情報処理安全確保支援士は情報セキュリティ分野では国家試験の中で最高峰の資格であり、合格率が20%前後と難関の部類です。

何度も受験しているが中々合格に届かない方もいることでしょう。

そんな方にこそ試験制度が見直されるタイミング=合格しやすいタイミングであると考えて、ぜひとも受験して合格を勝ち取ってもらいたいです!

新制度の概要をしっかり理解し、日々の学習に取り組んでください!

  • この記事を書いた人

きんぎょ

零細SIerに就職したがプライム市場のベンチャーに転職した30代男性です。 一児の父となり、家事をしまくっています。 現在運用チームでサーバやインフラ周りに格闘しています。 趣味、資格など一部のカテゴリにハマらず自由に役立つ情報を発信していけたらと思います。

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