基本情報報技術者試験の難易度が下がったって本当・・・?
簡単になったのであれば受けてみようかな
基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門として昔から位置づけられ、IT企業が求人をかける際にわかりやすい指標としてこの試験を持っていることを条件にすることが多いです。
結論から言いますと、基本情報技術者試験の難易度は下がりました。そのため受けるなら今です。
基本情報技術者試験の難易度の変遷、どういった理由で難易度が下がったのか、難易度が下がったことによる価値について考えてみましょう。
本記事の内容Contents
基本情報技術者試験が簡単になったのは本当
基本情報技術者試験の難易度が下がったのは事実です。それは合格率から判断することができます。
IPA公式の統計情報から閲覧可能な、基本情報技術者試験の合格率の推移を確認してみましょう。次の表にピックアップしてみました。
開催年度 | 応募者数 | 受験者数 | 受験率 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|
平成28年度 | 136,376 | 99,999 | 73.3 | 26,591 | 26.6 |
平成29年度 | 144,501 | 105,252 | 72.8 | 23,288 | 22.1 |
平成30年度 | 155,928 | 111,381 | 71.4 | 28,552 | 25.6 |
令和元年度 | 168,869 | 121,556 | 72.0 | 31,224 | 25.7 |
令和2年度 | 60,411 | 52,993 | 87.7 | 25,499 | 48.1 |
令和3年度 | 97,577 | 85,428 | 87.5 | 34,734 | 40.7 |
令和4年度 | 117,624 | 101,620 | 86.4 | 38,033 | 37.4 |
令和2年度から際立って合格率が上昇していることが見て取れると思います。
これは令和元年まではPBT:Paper Based Testing(ペーパー試験)でしたが、令和2年以降はCBT:Computer Based Testing(PCを使用した試験)に開催形式が大きく変わったためです。
記事執筆は令和5年8月(2023/8)です。最近の合格率も確認してみましょう。
開催年度 | 応募者数 | 受験者数 | 受験率 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|
令和5年度4月 | 11,294 | 10,513 | 93.1 | 5,928 | 56.4 |
令和5年度5月 | 10,933 | 9,724 | 88.9 | 5,322 | 54.7 |
令和5年度6月 | 10,557 | 9,141 | 86.6 | 4,802 | 52.5 |
月単位での情報が出ていますのでわかりやすいように表にしました。合格率は50%を超えていることがわかります。
これは令和5年度から基本情報技術者試験の制度が大きく刷新され、出題形式が変更になったためです。
基本情報技術者試験の新制度については次の記事で詳細に解説していますので合わせてご覧ください。
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【注目】2023年4月から基本情報技術者試験が新制度へ変わります!
ITエンジニアの登竜門と呼ばれる国家資格である、基本情報技術者試験の出題形式が変更になると、IPA公式から発表がありました。 結構大きな変化がありますので、どのように変わったかこの記事で理解していきま ...
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このように合格率から難易度が下がり合格しやすくなっていることがわかると思います。
合格率が上がった今が合格のチャンスだと思いませんか?
基本情報技術者試験が簡単になった理由
基本情報技術者試験の合格率が上がった理由として、前述の通り新制度となったためです。
新制度の詳細は次の記事をご覧いただきたいのですが、大きく3つのポイントがあります。
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【注目】2023年4月から基本情報技術者試験が新制度へ変わります!
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試験開催時期の変更
今までは年2回(上期/下期)の開催でしたが、2023年4月試験から通年試験へ変わりました。
自分の都合のいい時にテストセンターへ予約を入れて受験することができます。
決められた受験日に無理に学習度を合わせることなく、自分のペースで学習することができ納得の上で受験することができるため、合格率が上がったのではないでしょうか。
採点方式の変更
過去の制度の採点方式は、1問何点で正解すると加点されるという素点方式でしたが、新制度はIRT方式に変更になりました。
IRT:Item Response Theory(項目応答理論)
簡単に説明すると、素点方式のようなこの問題は3点というように決められておらず、受験者全体の解答結果によって問題の得点が変動するというものです。
例えば1問5点の4択の問題では勘でランダムに答えたとしても、25%の確率で正解し5点を獲得できます。
IRTは他の受験者の回答結果次第で配点に変動があります。
IRTの目的としては、運の要素を低減しつつ公平な結果を出すことができるということが挙げられます。
合格率に直結する採点方式の変更も合格率上昇の鍵になってそうです。
出題範囲の変更
公式から次のように試験出題範囲の変更の概要が上げらています。
科目 | 出題範囲の変更 |
---|---|
科目A試験 | 現在の午前試験に準じます。 |
科目B試験 | これまで必須解答としていた「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)」の二つの分野を中心にした構成に変更します。 また、個別プログラム言語(C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)による出題は、普遍的・本質的なプログラミング的思考力を問う擬似言語による出題に統一します。 |
今までの基本情報技術者試験の午後問題は、ソフトウェア、データベース、ネットワーク、ソフトウェア設計、プロジェクトマネジメント、経営戦略・企業と法務などの幅広い分野が出題されていました。
新制度はアルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティの2つの分野に絞ったと言えます。
経営戦略や法務などの駆け出しITエンジニアに必要とは少し言い難い分野について排除し、より現場で必要な知識にフォーカスを当てています。
一般的に馴染みの薄い分野に取り組むことも減った分、専門分野に学習のタスクを割り当てることができ、合格率向上に繋がったのではないでしょうか。
基本情報技術者試験の価値は変わる?
合格率が上がって=難易度が下がったために、基本情報技術者試験の価値に変化はあるのでしょうか?
長くITエンジニアの登竜門として位置づけられ、新卒の就職に有利になったりとステータスとなっていましたが変化はあるのでしょうか?
なにせ、旧試験では25%前後の合格率でしたが、最近では50%を超える合格率に上昇しています。
結論から言うと、そこまで価値は変わらないのではないかと考えられます。次の3つの理由で説明します。
プログラミング、セキュリティ分野に特化したから
出題範囲の変更で、基本情報技術者試験はプログラミングやセキュリティなどの専門分野により特化した試験に変わりました。
それは現場で必要な知識をより深く知ることができることを意味し、平たく言えば仕事に役に立ちます。
そう考えると基本情報技術者試験の価値は今までと変わらない、もしくは今まで以上に価値のあるものであると言えます。
新制度で合格率が上昇していることがそこまで浸透していないから
企業の採用担当や、評価をする上司など基本情報技術者試験の概要は知っているものの、制度が変更になったとか、合格率が上がったとか、そういった変化については疎いケースが多いです。
会社によっては昇格の条件や資格取得の一時金がもらえる制度で、基本情報技術者試験が挙げられていることがありますが、この事実を知らずに制度はそのままにしているなんてこともあります。
ネームバリューとは中々人の認識から変わらないものですから、あまり浸透していない新制度に変わったばかりの今が取得のチャンスです。
基本情報技術者試験は上位試験の土台であるから
情報処理技術者試験では基本情報技術者試験の上位試験として、応用情報技術者試験が存在しています。
またその上にネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストなどのより専門分野に特化した高度試験もあります。
基本情報技術者試験は、より専門的な分野に挑戦するための基礎を固める試験という位置づけもあり、それは今までと同様に価値のあることです。
基本情報技術者試験に合格せずに応用情報技術者試験を受けることは可能ですが、その名の通り基本があっての応用です。
基本をしっかりと学ぶことができる試験は価値が高いのではないでしょうか。
まとめ
基本情報技術者試験は制度が大きく変わって合格率が上昇しましたが、今後のIT社会に必要な専門的分野に特化した結果です。
また通年試験でいつでも受けることが可能になりました。これは学生や忙しい社会人など、いろんな人が試験を受けやすいように間口を広げ、よりたくさんの人にIT知識を身につけさせたいという国家戦略が伺えます。
事実合格率が上がって受けやすく合格しやすくなっていますので、受けようか悩んでいる方は今すぐに申し込みするべきだと思います。
今までは年2回開催で合格率は25%前後でしたから、新制度と比較すると圧倒的に合格しやすいです。
今がチャンスですので、ぜひ今のうちに合格しておきましょう!
どうしても基本情報技術者試験に合格したい方にはオンライン講座を強くおすすめします。ご紹介した新制度にも対応していますので次の記事から詳細をご覧ください。
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