基本情報技術者試験があるけれど、次のレベルの応用情報技術者試験から受けてもいいのかな・・・
ITエンジニアとしては駆け出しだから基本情報技術者試験から受けるべきだろうか・・・
基本情報技術者試験に合格してから応用情報技術者試験を受ける方が多いですが、実際に応用情報技術者試験から受ける方もいます。
結論ですが、応用情報技術者試験から受けても構わないが基本情報技術者試験から受けることをおすすめします。
筆者は基本情報技術者試験に合格してから応用情報技術者試験の学習に取り組んで合格しました。
その中で基本情報技術者試験の学習が必要であると考える理由や、一定数の方が応用情報技術者試験から受けたい理由などをまとめていきます。
この記事は基本情報技術者試験と応用情報技術者試験どっちを受験しようか悩んでいる方や、応用情報技術者試験から受けてもいいのかなと考えている方におすすめです。
Contents
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違い
まず基本情報技術者試験と応用情報技術者試験はどのように違うのでしょうか。
基本情報技術者試験 | 応用情報技術者試験 | |
---|---|---|
対象者像 | 高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者 | 高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者 |
出題形式 | CBT試験(PCを使用した試験) | 午前:マークシート 午後:記述式 |
試験時間 | 午前:150分 午後:150分 科目A:90分 科目B:100分 ※2023年4月から新制度 | 午前:150分 午後:150分 |
出題範囲の特徴 | プログラミング・アルゴリズム問題が必須 | システム開発の現場で必要な知識を広く問う |
合格率 | 40%前後 ※CBT試験への移行によって上昇 | 20~25%前後 |
受験料金 | 7,500円 | 7,500円 |
2023年4月より基本情報技術者試験は新制度へ移行し、試験時間や出題形式が変わります!
詳細については別の記事でまとめていますのでこちらをご覧ください
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【注目】2023年4月から基本情報技術者試験が新制度へ変わります!
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ここで注目していただきたいのは出題範囲にプログラミング問題が必須であるかどうかという点です。
2023年4月からの新制度でも、現在の制度でもプログラミング問題やアルゴリズム問題は避けて通ることができません。
応用情報技術者試験から受けたい方の基本情報技術者試験を避けたい理由
前述の通り、基本情報技術者試験ではプログラミング問題を解くことが必須となっています。
IT初学者にはプログラミングやアルゴリズムなどの論理的思考を身に付けさせたいことが見て取れます。
応用情報技術者試験から受けたい方は次のような理由があります。
- その①:プログラミング問題を避けたいから
- その②:プログラミングが今の業務に必要ないから
- その③:プログラミング以外の必要な知識を更に深掘りしたいから
その①:プログラミング問題を避けたいから
根本的にプログラミング問題が苦手で避けて通りたい場合、強制的に解かなければならない基本情報技術者試験より、その上位資格である応用情報技術者試験から取り組むという考え方です。
しかしながら応用情報技術者試験はプログラミングやアルゴリズム問題以外でも、高いレベルで問題が出題されるので全体的な難易度が上がることは間違いありません。
その②:プログラミングが今の業務に必要ないから
プログラミングはシステムエンジニアやプログラマにとっては必須ですが、ITの現場でもプログラミングを必要としない役割や部署も存在します。
今現在プログラミングを必要としない場合に、プログラミングが必須な基本情報技術者試験を受けなくても良いのでは?という考え方です。
その③:プログラミング以外の必要な知識を更に深掘りしたいから
応用情報技術者試験の午後試験にはセキュリティ、ネットワーク、データベースなどの、プログラミングとは別の分野についても難しいレベルで問われます。
インフラエンジニアであればネットワーク分野の知識が必要ですし、データベース設計をする方であればデーターベース分野の知識が必要です。
応用情報技術者試験では実際の業務で直面することを題材にして問題が作られたりと、実務により役立つ知識を学習することができます。
プログラミングが業務で必要なければ、深く学習したい分野をターゲットにしても良いでしょう。
基本情報技術者試験の学習が必要と考える理由
基本情報技術者試験はその名の通りIT知識の基本を学ぶことができます。
応用情報技術者試験から受けても問題ありませんが、私は次のような理由で基本情報技術者試験から受けることをおすすめします。
- その①:プログラミングの基礎を学ぶことで論理的な思考が身につくから
- その②:ITの基礎知識は今後の基盤になるから
- その③:一段ずつ成功体験を積み重ねることでステップアップできる
その①:プログラミングの基礎を学ぶことで論理的な思考が身につくから
先述の通り、基本情報技術者試験ではプログラミングやアルゴリズムの問題を避けて通ることができません。
これは問題を作成・運営する情報処理推進機構(IPA)が、IT業界に所属する人材であればプログラミング的な考え方を持っておくべきという意味に捉えることができます。
なぜなら基本情報技術者試験はこれからIT業界へ入ろうとする方が受けることを想定している試験だからです。
そして基本情報技術者試験で全体的な基礎を学び、応用情報技術者試験でより実践的な知識を身に付けていくというように、段階的にステップアップしていくということをIPAとしては想定しています。
少し話はずれますが、現代の子供の教育現場ではプログラミングを学ばせることが増えていますよね?
早いうちからプログラミングを学習させて、論理的思考を身につけることがとても重要であると考えられているからです。
応用情報技術者試験から挑戦することでプログラミングやアルゴリズム問題を避けることができますが、初学者が学んでおくべきものを学ばないことは土台が固められていないことと同じです。
その②:ITの基礎知識は今後の基盤になるから
プログラミングに限らず、基本情報技術者試験では幅広い知識が必要になります。
例えばPCが扱うのはONとOFFの信号です。多くの参考書ではこれを扱うために一番最初に2進数を学習します。
それは今も昔も変わりありません。
そして最新技術は一見高度な技術に見えますが、基礎技術が土台にあってそれを活用していることを忘れてはいけません。
このようにIT技術の基礎を学習することで、今後直面する技術やトラブルの解像度(理解度)が高くなります。
ITエンジニアとして学んでおくべきことが基本情報技術者試験には詰め込まれています。
その③:一段ずつ成功体験を積み重ねることでステップアップできる
いきなりですが小学生のときを思い出してみてください。
小学1年生の算数では足し算、引き算から初めて、3年生から掛け算、割り算を学びます。
今も昔も人は知識を習得するのに簡単なことから始めて、徐々に理解度を高めて難しい問題に取り組んでいきました。
先生と呼ばれる医師や大学教授も一段ずつステップアップしていったのです。
そこには小さい成功体験がいくつもあったはずです。
イメージ的には小さい階段を一段ずつ登っていく感じです。
いきなり大きい段差を乗り越えることはとてもパワーが必要で難しいことですが、小さい階段を乗り越えることはできそうですよね?
それと同じで一段レベルの低い基本情報技術者試験から受けることで、手が届きやすくなり成功体験を積み上げることができます。
長い期間ずっと勉強しているとモチベーションも上がりません。
合格という成功体験への距離を短くして、確実に知識の土台を固めていくことにとてもメリットがあると思いませんか?
まとめ
このように基本情報技術者試験は、IT初学者にとって今後必要となる知識を学習することができるとても良い試験です。
応用情報技術者試験から受けることを良しとすると方もいますが、確実に知識の土台を固めて徐々にステップアップした方が今後直面する新技術や未知の問題の解像度が上がります。
基本情報技術者試験が必要と考える理由は以下のとおりです。
- その①:プログラミングの基礎を学ぶことで論理的な思考が身につくから
- その②:ITの基礎知識は今後の基盤になるから
- その③:一段ずつ成功体験を積み重ねることでステップアップできる
階段を一段ずつ登ることで、小さい成功体験を積み重ねることができます。
エンジニア人生はこれから長期に渡りますので、学習のモチベーションを維持することはとても重要です。
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験どっちを受験しようか悩んでいる方や、応用情報技術者試験から受けてもいいのかなと考えている方にとって有益な情報となると嬉しいです。