基本情報技術者試験はSEの登竜門と言われ、IT系の組織に所属すると必ずと言っていいほど取ることを推奨されます。
その必要性については下の記事で解説しています。
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【意味ない?】なぜ会社は基本情報技術者試験を取れと言うのか
IT業界に入ると99%言われる言葉です。 基本情報技術者試験は試験制度ができた当初から、このようなことは言われ続けており、IT系の資格試験としては知名度も抜群です。 実際に就職や転職などでも基本情報技 ...
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この記事では基本情報技術者に合格している管理人が要領よく勉強する方法について解説していきます。
結論から言いますと、過去問を解きまくる事に尽きます。
まずは試験の概要から見ていきます。
2023年4月から基本情報技術者試験が新制度となり大きく変わります!詳細はこちらからどうぞ!
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【注目】2023年4月から基本情報技術者試験が新制度へ変わります!
ITエンジニアの登竜門と呼ばれる国家資格である、基本情報技術者試験の出題形式が変更になると、IPA公式から発表がありました。 結構大きな変化がありますので、どのように変わったかこの記事で理解していきま ...
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Contents
基本情報技術者試験とは何か
IT系の国家資格でありITスキルの技能を証明する資格です。
基本情報技術者より下位の資格については対象がITを活用する者、全ての社会人であったり一つレベルが下がります。
SEやインフラエンジニアは上位の基本情報技術者試験から受験しましょう。
IPA(情報処理推進機構)の基本情報技術者試験のページに記載がありますが、ITエンジニアのスタートは基本情報技術者試験から受けることを推奨しています。
ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験することをお勧めします。しっかりとした基礎を身に付けることにより、その後の応用力の幅が格段に広がります。
基本情報技術者試験→応用情報技術者試験→ネットワークスペシャリスなどの高度資格というガイドラインがあることで、全体的な基礎学習から専門的な分野への学習へステップアップできる、ということが狙いです。
試験概要
試験実施
年2回(上期、下期)の一定期間、CBT方式によって行われます。
CBT方式は試験会場に設置されたPCを使用して実施する試験方式
試験日時
上期、下期ごとに一定期間の申し込み期間が設けられます。
受験日時は一定期間の間で選択できます。
受験会場
受験会場は申し込み時に選択可能です。
各都道府県に一箇所以上の受験会場があります。
詳細な日程についてはIPA公式のページにて確認してください
受験要項については今後変わる可能性があります
午前の出題範囲
基本情報技術者試験はITエンジニアに必要な基本的なスキルの定着を求めているため、その出題範囲はかなり広くなっています。
- テクノロジ系(ネットワーク、データベースなど)
- マネジメント系(プロジェクト、監査など)
- ストラテジ系(法律関係、マーケティング、経営など)
テクノロジ系(50問)
- 基礎理論
(離散数学・応用数学・情報理論・通信理論・計測制御理論) - アルゴリズムとプログラミング
(データ構造・アルゴリズム・プログラミング・プログラム言語・マークアップ言語など) - コンピュータ構成要素
(プロセッサ・メモリ・バス・入出力デバイス・入出力装置) - システム構成要素
(システムの構成・システム評価指標) - ソフトウェア
(オペレーティングシステム・ミドルウェア・ファイルシステム・開発ツール・オープンソースソフトウェア) - ハードウェア
(ハードウェア全般) - ヒューマンインターフェイス
(ヒューマンインターフェイス技術・インターフェイス設計) - マルチメディア
(マルチメディア技術・マルチメディア応用) - データベース
(データベース方式・データベース設計・データ操作・トランザクション処理・データベース応用) - ネットワーク
(ネットワーク方式・データ通信と制御・通信プロトコル・ネットワーク管理・ネットワーク応用) - セキュリティ
(情報セキュリティ・情報セキュリティ管理・セキュリティ技術評価・情報セキュリティ対策・セキュリティ実装技術) - システム開発技術
(システム要件定義・システム方式設計・ソフトウェア要件定義・ソフトウェア方式設計・ソフトウェア詳細設計・ソフトウェア構築・ソフトウェア結合/ソフトウェア適格性確認テスト・システム結合/システム適格性確認テスト・導入・受入支援・保守・廃棄) - ソフトウェア開発管理技術
(開発プロセス手法・知的財産適用管理・開発環境管理・構成管理・変更管理)
マネジメント系(10問)
- プロジェクトマネジメント
(プロジェクトマネジメント・統合マネジメント・ステークホルダマネジメント・スコープマネジメント・タイムマネジメント・コストマネジメント・品質マネジメント・資源マネジメント・コミュニケーションマネジメント・リスクマネジメント・調達マネジメント) - サービスマネジメント
(サービスマネジメント・サービスの設計/移行・サービスマネジメントプロセス・サービスの運用・ファシリティマネジメント) - システム監査
(システム監査・内部統制)
ストラテジ系(20問)
- システム戦略
(情報システム戦略・業務プロセス・ソリューションビジネス・システム活用促進・評価) - システム企画
(システム化計画・要件定義・調達計画・実施) - 経営戦略マネジメント
(経営戦略手法・マーケティング・ビジネス戦略と目標・評価・経営管理システム) - 技術戦略マネジメント
(技術開発戦略の立案・技術開発計画) - ビジネスインダストリ
(ビジネスシステム・エンジニアリングシステム・e-ビジネス・民生機器・産業機器) - 企業活動
(経営組織論・OR/IE・会計財務) - 法務
(知的財産権・セキュリティ関連法規・労働関連/取引関連法規・その他の法律/ガイドライン/技術者倫理・標準化関連)
午後の出題範囲
- コンピュータシステムに関すること
(ソフトウェア・ハードウェア・データベース・ネットワーク - 情報セキュリティに関すること
- データ構造及びアルゴリズムに関すること
- ソフトウェア設計に関すること
- ソフトウェア開発に関すること
- マネジメントに関すること
(プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント - ストラテジに関すること
(システム戦略・経営戦略・企業と法務)
出題形式
基本情報技術者試験は午前と午後に分別されておりそれぞれ出題形式が異なります。
午前 | 午後 | |
試験時間 | 150分 | 150分 |
出題形式 | 多肢選択式(四択択一) | 多肢選択式 |
出題数 回答数 | 出題数:80問 解答数:80問 | 出題数:11問 解答数:5問 |
さらに詳しく見ていきます。
午前試験
午前試験は短めの問題が80問あり、2時間半で全て解答します。問題は全て4択となっておりどれか1つが正解です。
テクノロジ系が問1~50まで50問、マネジメント系が問51~60で10問、ストラテジ系が問61~80までの20問となり合計80問という構成です。
午後試験
午後試験は長文問題が11問あり、2時間半で5問解答します。
解答は選択式ですが4択ではなく問題によって変動します。
必須問題
問1:情報セキュリティ
問6:データ構造及びアルゴリズム
選択問題
問2:ソフトウェア・ハードウェア
問3:データベース
問4:ネットワーク
問5:ソフトウェア設計
以上のうち2問選択
問7:C
問8:Java
問9:Python
問10:アセンブラ
問11:表計算
以上のうち1問選択
問7~問11のソフトウェア開発問題についてはプログラム言語ごとに分かれており、開発経験のある方は得意な言語を選択することを推奨します。逆にあまり経験の無い方はMicrosoft社のOffice製品であるMicrosoft Excelを模した表計算ソフトを選択する方が多いです。(C/Java/Python/アセンブラ/表計算)
配点
午前は1.25点、午後は各大問によって異なります。
この配点により問6のアルゴリズム、問7~問11のソフトウェア開発の問題の比重が高いことが分かります。しかも必須問題であることから基本情報技術者試験はプログラミングができることを重要視していると解釈できます。
合否判定
午前試験、午後試験ともに100点満点のうち60点以上を取ることで合格となります。
例えば午前60点以上、午後59点以下であれば不合格です
午前と午後どちらも60点以上を取ることで合格となります
オススメの勉強方法
本題に入ります。まずは全体的な試験対策のスケジュールを決めましょう。人それぞれ事前知識によって試験対策に要する時間は変わってきますが筆者の経験を元に大体の目安を提示します。
- 当時のスペックと状況
零細SIer5年目/Java,VB,C#/基本情報を取れと言われながらダラダラしていたが一念発起 - 勉強時間
6ヶ月くらい
学習スケジュール
1~2ヶ月目
参考書で基本知識習得
試験対策の基本となる基礎知識を1ヶ月程度時間をかけて入れていきます。ある程度ざっと読んでいきわからない部分は午前試験対策をしながら覚えていきました。
3ヶ月目
午前の過去問題を繰り返し解く
午前試験の対策としては徹底的に過去問題を解くことです。これに尽きます。
なぜなら80問中半分の40問程度は過去問題からの流用だからです。しかも問題文や選択肢もそのまま流用される事がほとんどであるため過去問題を解くことは非常に有効な手段となります。
ここでご紹介しますが、過去問題を演習する上で欠かせないWEBサイトがあります。
基本情報技術者試験ドットコム様の過去問道場です。このWEBサイトがなければ筆者は合格していません。
過去問道場はPDFで公開される問題文をWEBページにテキスト化しており、選択肢をクリックすることで正解か不正解などがすぐに分かり、ましてや解説文もあるという素晴らしいサイトです。
しかも無料です。
まずはユーザ登録しておくことを強くオススメします。過去問題を解いた履歴が保存され、試験回ごとの成績や網羅度が分かり、数をこなすことで苦手な分野が数字として見えてきます。
早速ユーザ登録しましょう。
試験回や分野を指定して出題したり、ランダムに出題したりできます。網羅率100%を目指しましょう。
4~5ヶ月目
午後の過去問題を繰り返し解く
午後問題も過去問題を解くことが有効です。私は過去5年分を2回程解きましたが正直もっと解いた方がいいと感じました。
以前の過去問道場は午後問題を記録する機能は無かったのですが、現在は機能実装され、午後問題も記録する事ができるようになっています。→ 過去問道場(午後)
午後問題は同じ問題の流用はありませんので午前のような問題丸暗記は通用しません。しかし出題のされ方、傾向を掴む事ができます。
また、過去問題をするときには時間を測ることをオススメします。
150分で5問解くので1問30分ですが、本番ではどの問題を選択するかという事や見直しの時間も確保する必要になるため、1問25分程度で解くことを心がけましょう。
午後試験はとにかく時間が足りないと感じるはずです。そのため、必須問題から解いたり、難しそうな問題から解くなどの工夫が必要です。
筆者は必須問題から解いていましたが人それぞれなので自分にあった方法を見つけましょう。
午後の選択問題を予め選択しておくこともいいですが、試験回によっては問題の難易度に差がある事があります。
そのためできるだけ全ての分野を学習しておくことを推奨します。
6ヶ月目
間違えている問題や苦手分野の復習
模擬試験
これまで過去問道場で午前/午後問題をたくさん解いていれば苦手な問題の出題のされ方、分野が分かってきたと思います。分からない部分は参考書やネット検索で補完しましょう。
最後にまだ解いていない試験回、解いた回数が少ない試験回で模擬試験をやりましょう。
午前と午後時間を測りながら実施してください。
オススメの参考書
冒頭で過去問を解くことが重要であると述べましたが、参考書は一冊買っておいた方が良いです。
以下はおすすめの参考書です。
キタミ式イラストIT塾シリーズ
超入門者のための一冊です。イラスト豊富で文字ばかりの参考書が苦手な方にもオススメです。
その分技術知識の深いところが問われることもある午後試験には対応しきれていない部分もあると感じました。
栢木先生の基本情報技術者試験教室シリーズ
本屋に行けば必ずあるような定番書です。試験範囲の重要な部分をコミカルな挿絵で解説しています。こちらも解説が非常にわかりやすくオススメの一冊です。
合格教本シリーズ
記載されている情報量が他と違います。試験範囲の全てを網羅しています。
上記の参考書で解説されていない部分もこの一冊ではカバーされており、知識の深堀りのために一冊持っておくといいかもしれません。
まとめ
重要なのは過去問題を解くことです。過去問道場は通勤時間などのスキマ時間にもスマホでできるので活用しましょう。
基本情報技術者試験の合格は広い知識になり、アルゴリズムの理解やプログラミングのような専門知識が必要になりますが試験では100点を目指す必要はありません。
6割取ることができればいいのです。質を重視して勉強に励んでください。
- 過去問道場で過去問題を繰り返し解く
- 午後問題は時間配分が重要!時間を測って解く
- 分からない部分は参考書やネット検索で補完する
午後試験の詳しい勉強方法についてはこちらにまとめましたので是非ご覧ください。
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【保存版】基本情報技術者試験の午後試験の点数を20点上げる勉強法
基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門と呼ばれています。 会社に入ったら取得するように言われた方も多いと思います。 多くの方は午前問題は案外突破できるのですが午後問題で躓いてしまいます。 午後問題 ...
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