また怒鳴っちゃった・・・
なんで私はいつもまだ小さい子供に対して怒鳴ってしまうんだろうか・・・
毎日時間に追われる育児の中で、子どもにイライラしてしまう。そんな自分を責めてしまうママもいるのではないでしょうか?
でも、もう自分を責めるのは終わりにしませんか?
子育て中のイライラは、決してあなたの心が狭いからではありません。睡眠不足や時間に追われるなど、ママは常にストレスフルな状態。
そんな中で、子どもへの適切な対応は本当に難しいものです。
そこでおすすめしたいのが「アンガーマネジメント」。
アンガーマネジメントは、単に怒りを我慢するのではなく、怒りの感情と上手に付き合っていくためのスキル。
怒りの感情に振り回されず、子どもと穏やかに接することができるようになります。
当記事では、今日からできる簡単なアンガーマネジメント術や、具体的なシーン別の対処法を紹介していきます。
現在イヤイヤ全盛期の子供を育てる筆者と、子育て中の怒鳴らない穏やかな子育てを一緒に目指していきましょう!
本記事の内容Contents
1章. 子育てにアンガーマネジメントが必要な理由
それではなぜ子育てに怒りのコントロールが必要なのか、視点を変えて詳しく見てみましょう。
1-1. なぜ子育てで怒ってしまうのか? そのメカニズムを解説
子育て中は、睡眠不足、家事、仕事など、常にストレスフルな状態です。
そんな中、子どもが言うことを聞いてくれなかったり、いたずらを繰り返したりすると、脳は危険信号を発し、「扁桃体」と呼ばれる部分が活性化します。
扁桃体は感情を司る部位であり、特に「恐怖」や「怒り」といった原始的な感情に反応します。
同時に、ストレスホルモンである「コルチゾール」や「アドレナリン」が分泌され、心拍数や血圧が上昇。闘争・逃走反応と呼ばれる状態になり、攻撃的な行動を取りやすくなってしまうのです。
これは、自分や大切な子どもを守るための本能的な反応であり、決してあなたが悪いわけではありません。
1-2. 怒鳴り声が子どもに与える影響とは?
しかし、怒鳴り声が子どもに悪影響を与える可能性があることは知っておく必要があります。
アメリカのハーバード大学医学部の研究によると、子ども時代に虐待やネグレクト、親の喧嘩などを頻繁に経験した人の場合、脳の特定の領域が小さく、機能が低下しているという結果が出ています。(※1)
これは、子どもの脳の発達に悪影響を及ぼし、情緒不安定、学習能力の低下、対人関係の困難などを引き起こす可能性があることを示唆しています。
また、たとえ暴力や暴言ではないとしても、日常的に怒鳴り声を浴び続けることは、子どもにとって大きなストレスになります。
恐怖を感じながら育った子どもは、自己肯定感が低くなったり、不安を抱えやすくなったり、親を避けるようになり、コミュニケーションがうまくいかなくなることもあります。
(※1)Teicher, M. H., Andersen, S. L., Polcari, A., Anderson, C. M., & Navalta, C. P. (2003). The neurobiological consequences of early stress and childhood maltreatment. Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 27(1-2), 33-44.
1-3. アンガーマネジメントで得られる3つの効果
アンガーマネジメントは、単に怒りを抑えるのではなく、怒りの感情と上手に付き合っていくためのスキルです。
怒りを感じたときに、その感情に飲み込まれるのではなく、冷静に対処できるようになることを目指します。
子育てに取り入れることで、次のような効果を期待できます。
- 子どもへの穏やかな対応: 感情的に怒鳴ったり、きつい言葉を浴びせることが減り、子どもと穏やかに接することができるようになります。
- 自身と子どもの自己肯定感UP: 怒りを感じても冷静に対応できる自分を認められるようになり、自己肯定感が高まります。また、子どもも安心感を感じながら成長し、自己肯定感を育むことができます。
- 家族の笑顔が増える: 穏やかな雰囲気が生まれ、家族みんなが笑顔で過ごせる時間が増えます。
2章. 今日からできる! 簡単アンガーマネジメント術5選
次のようなことを意識するとすぐにでも効果を実感することができます。ぜひ活用しましょう。
- 2-1. 怒り版「あるある発見器」! 自分のトリガーを把握する
- 2-2. 怒りのサインを見つけてクールダウン! 効果的な対処法3選
- 2-3. イライラの原因を冷静に分析! 「一次感情」に気づく
- 2-4. 子どもの困った行動を減らす! 上手な伝え方と褒め方
- 2-5. 自分だけのリフレッシュ方法を見つけよう!
2-1. 怒り版「あるある発見器」! 自分のトリガーを把握する
まずは、どんな時にイライラするのか、自分のトリガーを把握することから始めましょう。
トリガーとは、「特定の人」「場所」「状況」「時間帯」「身体的状態」など、怒りの感情を引き起こしやすい要因のことです。
例えば、
- 「朝の忙しい時間帯」
- 「子どもの寝かしつけの時間」
- 「おもちゃが散らかった部屋」
- 「睡眠不足」
- 「空腹時」
- 「特定の人からの言葉」
など、人それぞれトリガーは異なります。
ノートやスマホに、自分がどんな時にイライラを感じるかを具体的に書き出してみましょう。
自分のトリガーを把握することで、事前に対策を立てたり、冷静に対応できるようになります。
2-2. 怒りのサインを見つけてクールダウン! 効果的な対処法3選
怒りを感じ始めたら、初期のサインを見逃さずに、早めに対応することが重要です。
怒りのサインには、以下のようなものがあります。
- 顔が熱くなる
- 呼吸が速くなる
- 脈が速くなる
- 声が大きくなる
- 身体が震える
- めまいがする
これらのサインに気づいたら、以下の3つのクールダウン方法を試してみましょう。
- 深呼吸: 4秒かけて鼻から息を吸い込み、6秒かけて口からゆっくりと吐き出す、腹式呼吸を繰り返します。
- リフレーミング: 「きっと疲れているのね」「お腹が空いているのかも」など、子どもの行動に対してポジティブな解釈を試みることで、冷静さを取り戻しましょう。
- 一時的に状況を離れる: 安全な場所に子どもを預けられる場合は、一度部屋を出てクールダウンするのも効果的です。トイレに立ったり、ベランダで外の風を感じたり、気分転換をしましょう。
2-3. イライラの原因を冷静に分析! 「一次感情」に気づく
怒りの裏には、「悲しい」「寂しい」「不安」といった一次感情が隠れていることがほとんど。
例えば、
- 「ご飯を食べてくれない」→「子どもがちゃんと栄養を取ってくれるか心配」
- 「何度言っても片付けない」→「疲れてしまって、一人で片付けるのが負担」
- 「兄弟ゲンカが絶えない」→「このままでは兄弟仲が悪くなってしまうのではと不安」
このように、怒りの感情に気づくことは、自分の本心に気づくチャンスとも言えます。
2-4. 子どもの困った行動を減らす! 上手な伝え方と褒め方
子どもは、なぜ怒られているのか理解できない場合が少なくありません。
頭ごなしに叱るのではなく、子どもの目線に立って、分かりやすく伝えることが大切です。
- 「なぜダメなのか」を伝える: 「〜だから、やめてほしいの」と、具体的な理由を伝えましょう。
- 「どうすればいいのか」を伝える: 「〜してくれると嬉しいな」と、代替案を提示すると、子どもは行動を変えやすくなります。
- 肯定的な言葉で伝える: 「走ったら危ないよ」ではなく、「ゆっくり歩いてね」など、否定形ではなく肯定形で伝えましょう。
- 「できたこと」を具体的に褒める: 「おもちゃを片付けてくれてありがとう」「お手伝いしてくれて助かるよ」など、具体的に褒めることで、子どもの意欲を高めることができます。
2-5. 自分だけのリフレッシュ方法を見つけよう!
子育ては24時間体制。自分自身の心の余裕を作ることも大切です。
- 睡眠時間を確保する: 睡眠不足はイライラの大きな原因となります。質の高い睡眠を心がけましょう。
- 好きなことをする時間を作る: 趣味の時間や、友人との時間を持ち、気分転換をしましょう。
- 一人でリラックスできる時間を作る: ゆっくりとお風呂に入ったり、好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、自分だけのリラックス方法を見つけましょう。
- 頼れる人には頼る: 家族や友人、ベビーシッターなど、頼れる人にサポートをお願いすることも考えてみましょう。
3章. 具体的なシーン別対処法
子育てのアンガーマネジメントの具体的な例をご紹介します。参考にしてみてください!
- 3-1. 【場面1】ご飯を食べてくれない! 食事中に怒りがこみ上げてきたら?
- 3-2. 【場面2】何度言っても片付けない! おもちゃが散らかり放題の部屋にイライラ…
- 3-3. 【場面3】兄弟ゲンカが絶えない! 放っておく? それとも仲裁に入る?
- 3-4. 【場面4】言うことを聞かずに外で走り回る! 周りの目が気になって…
3-1. 【場面1】ご飯を食べてくれない! 食事中に怒りがこみ上げてきたら?
- 子どものペースに合わせてみる: もしかしたら、まだお腹が空いていないのかもしれません。「一口だけでもいいよ」と声をかけてみましょう。
- 食事を楽しむ工夫をする: キャラクターもののピックを使ったり、盛り付けを工夫したり、楽しく食事ができるように工夫してみましょう。
- 食事の前後の過ごし方を見直す: おやつが多すぎたり、寝る直前に食事をしたりしていないか、見直してみましょう。
3-2. 【場面2】何度言っても片付けない! おもちゃが散らかり放題の部屋にイライラ…
- 片付けやすい環境を作る: おもちゃの収納場所を分かりやすくしたり、子どもでも片付けやすい収納ボックスを用意しましょう。
- 遊び感覚で片付ける: タイマーを使って「よーいどん!」で片付けをしたり、親子で競争したり、楽しく片付けられるように工夫しましょう。
- まずは親がお手本を見せる: 子どもは親の行動を見て育ちます。まずは親がお手本を見せて、片付けの習慣をつけさせましょう。
3-3. 【場面3】兄弟ゲンカが絶えない! 放っておく? それとも仲裁に入る?
- 危険がない場合は見守る: 軽度のケンカであれば、見守ることも大切です。子ども同士で解決する力を育む機会になります。
- 暴力や暴言がある場合は止める: 暴力や言葉の暴力がエスカレートしている場合は、間に入って止めましょう。
- それぞれの言い分を聞く: 頭ごなしに叱るのではなく、「どうしたの?」と優しく声をかけ、それぞれの言い分をしっかりと聞いてあげましょう。
- 解決策を一緒に考える: 一方的に解決策を押し付けるのではなく、子どもと一緒に解決策を考えていきましょう。
3-4. 【場面4】言うことを聞かずに外で走り回る! 周りの目が気になって…
- 危険な行為かどうか判断する: まずは、子どもの行動が本当に危険な行為かどうか冷静に判断しましょう。
- 事前に約束事を決めておく: 「他の人に迷惑をかけないようにね」「お店の中では走らないでね」など、事前に約束事を決めておきましょう。
- 周りの人に謝罪する: もし、周りの人に迷惑をかけてしまったら、子どもと一緒に謝罪しましょう。
- 子どもにも言い分を聞く: なぜ走り回ってしまったのか、子どもの言い分を聞いてみましょう。
4章. パートナーと協力して穏やかな家庭環境を築くために
いくらアンガーマネジメントを意識しても、ひとりの力だけでは限界が来てしまうのは目に見えています。
そうならないためにも子育てはママだけでなく、パパも積極的に参加することが重要です。
4-1. パパにも知ってほしい! アンガーマネジメントの重要性
アンガーマネジメントは、ママだけが実践するものではありません。
パパにもアンガーマネジメントの知識を共有し、一緒に穏やかな子育てを目指しましょう。
夫婦で協力し、お互いのイライラを軽減することで、より良い親子関係を築くことができます。
- アンガーマネジメントに関する書籍やウェブサイトを共有する
- 子育ての悩みを共有し、お互いにサポートし合う
- 家事や育児の分担を見直し、負担を軽減する
4-2. 子どもへの言葉かけ、夫婦で共有できていますか?
「ダメ!」「何度言ったらわかるの!」など、否定的な言葉が多い場合は要注意。
夫婦で子どもへの言葉かけを見直し、肯定的な表現を心がけましょう。
- 否定形ではなく肯定形で伝える: 「走ったら危ないよ」ではなく、「ゆっくり歩いてね」など、否定形ではなく肯定形で伝えましょう。
- 子どもの行動を具体的に褒める: 「いい子だね」と漠然と褒めるのではなく、「おもちゃを片付けてくれてありがとう」など、具体的な行動を褒めるようにしましょう。
- 子どもに寄り添う言葉かけを: 「どうしたの?」「大丈夫?」など、子どもの気持ちに寄り添う言葉かけを心がけましょう。
4-3. イライラの連鎖を断ち切る! パートナーと協力体制を作るには?
育児の悩みやイライラを共有し、お互いに支え合うことが大切です。
「今日は子どもをお風呂に入れてくれてありがとう」など、感謝の気持ちを伝えることも忘れずに。
- 「お疲れ様」「ありがとう」を習慣化する: 感謝の気持ちを伝えることで、お互いのモチベーションアップに繋がります。
- 定期的にコミュニケーションを取る時間を作る: ゆっくりと会話できる時間を作り、育児の悩みや日頃の感謝を伝え合いましょう。
- 家事や育児の分担を見直し、負担を公平にする: どちらか一方に負担が偏っていると、不満が溜まりやすくなります。
まとめ: アンガーマネジメントは、子どもとの未来を輝かせる魔法
子育て中は、どんなに穏やかなママでもイライラしてしまうもの。
睡眠不足や時間に追われる毎日のなかで、子どもに完璧に対応するのは至難の業です。
そこで、怒鳴ってしまう自分を責めるのではなく、「アンガーマネジメント」を学んでみませんか?
アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合っていくためのスキル。
自分のトリガーを把握し、怒りのサインに気づいたらクールダウンする、具体的な対処法を身につけることで、感情的にならずに済むようになります。
また、イライラの裏にある「一次感情」に気づくことも大切です。
子どもへの伝え方や褒め方を見直し、夫婦で協力体制を作ることも、穏やかな家庭環境を作る上で重要です。
アンガーマネジメントは、魔法のようにすぐに効果が出るものではありません。
最初はうまくいかないことや、自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
それでも、諦めずにコツコツと実践していくことで、穏やかな自分を取り戻し、笑顔あふれる日々を送れるはずです。