- REST APIってよく聞くけど、実際何なのかよくわからない…
- 分かりやすく説明してくれているサイトを見ても、専門用語が多くて理解できない…
このようにREST APIがどのような役割をするのか、どのようなものなのかよく分かっていない方もいるのではないでしょうか。
当記事ではITエンジニアとして働く筆者が、具体的な例を出しながら詳しく解説していきます。
当記事を読むとREST APIの基礎を理解し、たとえば今後の開発のための基礎知識を身につけることができます。
私自身も、IT業界に入ったばかりの頃はREST APIのことが全く分かりませんでした。
しかし現場でAPIに触れていく中で、自分なりに解釈してようやく理解することができました。
その経験を活かして、新人エンジニアの皆さんにも分かりやすくREST APIを解説します!
本記事の内容1. REST APIとは?
レストランで注文する場面を想像してみてください。
あなたはメニューを見て食べたい料理を選び、店員さんに注文を伝えます。店員さんはキッチンに注文を伝え、キッチンでは注文に基づいて料理が作られます。そして店員さんがあなたに料理を運んでくれます。
この時、店員さんは API (Application Programming Interface) の役割を果たしています。
あなたはキッチンでどのように料理が作られているか知らなくても、店員さんに注文を伝えるだけで、希望の料理を受け取ることができます。
APIとは、このように異なるソフトウェア同士がやり取りするためのインターフェースのことを指します。
REST API (REpresentational State Transfer API) は、このAPIの中でも、Webサービス向けに設計されたものです。
レストランの例で言えば、REST APIは「料理名は名詞で伝える」「注文は番号で伝える」といったような、注文方法に関するルールを定めていると言えます。
1.1 APIとREST APIの違い
まず、APIとREST APIの違いは何なのでしょうか。
API (Application Programming Interface) は、ソフトウェアが他のソフトウェアとやり取りするためのインターフェース全般を指します。
例えるなら、レストランで注文するために使うメニューのようなものです。
メニューを見れば、どのような料理があり、どのように注文すれば良いかが分かります。
一方、REST API (REpresentational State Transfer API) は、APIの中でもWebサービス向けに設計されたもので、特定の設計原則に基づいています。
これは、レストランで注文する際に、特定のルール(例えば、「料理名は名詞で」「注文は番号で」など)に従って注文するようなものです。
APIとREST APIの違いをもう少し詳しく
特徴 | API | REST API |
---|---|---|
対象 | あらゆるソフトウェア | 主にWebサービス |
設計原則 | 特に無し | RESTの設計原則に従う |
通信プロトコル | 様々 | HTTP/HTTPS |
データ形式 | 様々 | JSON, XMLなど |
例 | Windows API, Java API | Twitter API, Google Maps API |
ポイント
- REST APIはAPIの一種です。
- 全てのAPIがRESTfulなわけではありません。
- REST APIは、Webサービスで広く使われており、シンプルさと使いやすさが特徴です。
APIはソフトウェア同士が会話するための共通言語、REST APIはその中でもWebサービス向けに作られた、シンプルで使いやすいルールブックのようなものです。
REST APIを理解することで、現在主流となっているWebサービスの仕組みをより深く理解することができます。
ITエンジニアならば、REST APIはぜひとも習得しておきたい技術です。
1.2 REST APIとは何か?
REST APIとは、Webサービス同士がデータをやり取りするための仕組みのことです。
例えば、あなたが普段利用しているスマホアプリを考えてみましょう。
天気予報アプリは、気象情報提供サービスから天気データを取得して表示していますよね?
この時、アプリとサービスの間でデータのやり取りを仲介しているのがREST APIです。
1.3 なぜREST APIは重要なのか?
REST APIは、現代のWebサービス開発において必要不可欠な技術となっています。その理由は、以下の点が挙げられます。
異なるシステム間でのデータ連携を容易にする
REST APIを用いることで、異なるプログラミング言語で開発されたシステム間でも、容易にデータ連携が可能になります。これは、システム開発の効率化、ひいてはサービス開発のスピードアップに貢献します。
開発コスト・メンテナンスコストの削減
REST APIはシンプルで使いやすいため、開発にかかるコストを削減することができます。また、既存のシステムにREST APIを導入するのも容易なため、メンテナンスコストの削減にも繋がります。
セキュリティ性の高さ
REST APIは、HTTPSなどのセキュアな通信プロトコルに対応しているため、安全にデータのやり取りを行うことができます。
1.4 例えば、飲食店の注文システムだと…
あなたが飲食店で注文する場面を想像してみましょう。
- あなたはメニューを見て、食べたい料理を選びます。
- あなたは店員さんに注文内容を伝えます。(例:ラーメン1つ、餃子3つください)
- 店員さんはキッチンに注文内容を伝えます。
- キッチンでは、注文に基づいて料理が作られます。
- 店員さんがあなたに料理を運んできます。
この時、店員さんがREST APIの役割を果たしています。
あなたは店員さんに注文内容を伝えるだけで、キッチンで料理を作ってもらい、料理を受け取ることができます。
REST APIを使うことで、あなたはキッチンの内部構造や調理方法を知らなくても、料理を注文することができます。
2. REST APIの特徴
REST APIが広く採用されている理由は、そのシンプルで分かりやすい構造、柔軟性、そしてWebとの親和性の高さにあります。
これらの特徴が、開発者にとってREST APIを使いやすく、多くのWebサービスで採用される要因となっています。
2.1 シンプルで分かりやすい構造
REST APIは、HTTPメソッドと呼ばれる「GET」「POST」「PUT」「DELETE」といった、ごく限られた命令を使ってデータのやり取りを行います。
これらの命令は、Webページへのアクセスなどで日常的に使われているHTTPメソッドと同じものです。
そのため、Web開発者にとって馴染み深く、学習コストが低いというメリットがあります。
HTTPメソッド | 操作 | 説明 |
---|---|---|
GET | データの取得 | 指定したリソースを取得します。例えば、特定のユーザー情報を取得する場合などに使用します。 |
POST | データの作成 | 新しいリソースを作成します。例えば、新規ユーザー登録を行う場合などに使用します。 |
PUT | データの更新 | 既存のリソースを更新します。例えば、ユーザー情報の編集を行う場合などに使用します。 |
DELETE | データの削除 | 指定したリソースを削除します。例えば、ユーザーアカウントを削除する場合などに使用します。 |
これらの命令は、それぞれ「データを取得する」「データを作成する」「データを更新する」「データを削除する」といった基本的な操作に対応しており、直感的に理解しやすいのが特徴です。
これは、REST APIがシンプルさを重視した設計思想に基づいているためです。
2.2 さまざまなデータ形式に対応
REST APIは、JSONやXMLといった様々なデータ形式に対応しています。
JSON(JavaScript Object Notation)は、人間にとっても機械にとっても読み書きしやすい軽量なデータ形式であり、Webサービスで広く利用されています。
XML(Extensible Markup Language)は、データの意味や構造を記述することに優れたマークアップ言語であり、データ交換の標準フォーマットとして広く普及しています。
REST APIでは、クライアントとサーバー間でやり取りするデータ形式を自由に選択することができます。
そのため、開発者はシステムに最適なデータ形式を選択することができますし、既存のシステムとの連携もしやすくなっています。
2.3 Webとの相性が良い
REST APIは、Webで使用されるHTTPプロトコル上で動作するため、Webサービスとの相性が抜群です。
HTTPは、Webページの表示だけでなく、データの送受信にも使われる、インターネットの基盤となるプロトコルです。
REST APIは、このHTTPの仕組みをそのまま利用することで、シンプルかつ効率的なデータ通信を実現しています。
また、REST APIは、URLを使ってリソースを表現します。
URLは、Webページのアドレスを指定するために使われるものですが、REST APIでは、データそのものを指し示すためにURLを利用します。
例えば、「https://api.example.com/users/123」というURLは、「example.com」というWebサービスのユーザーデータベースから、IDが「123」のユーザー情報を取得することを意味します。
このように、REST APIは、HTTPやURLといったWebの標準的な技術を採用することで、Webとの親和性を高めています。
これらの特徴により、REST APIはWebサービス開発において非常に使い勝手の良い技術となっています。
3. REST APIの役割
REST APIは、現代のWebサービスにおいて、様々なシステムを繋ぐ「ハブ」としての役割を担っています。
ここでは、REST APIの主要な役割とその具体的な例を見ていきましょう。
3.1 Webサービス間のデータ連携
REST APIの最も重要な役割は、異なるWebサービス間でデータ連携を可能にすることです。
例えば、ECサイトで商品を購入する際、多くの場合、外部の決済サービスを利用して支払い処理が行われます。
この時、ECサイトと決済サービス間で、顧客情報、購入商品情報、支払い金額などの重要なデータがやり取りされますが、この連携をスムーズに行うためにREST APIが使われています。
ECサイトは、REST APIを使って決済サービスに対して必要なデータを送信し、決済処理を依頼します。
決済サービスは、処理が完了すると、その結果をREST APIを通じてECサイトに返します。
このように、REST APIは、異なるシステム間で安全かつ確実なデータ連携を実現するための共通言語として機能しています。
3.2 アプリケーション開発の効率化
REST APIは、アプリケーション開発の効率化にも大きく貢献しています。
例えば、地図アプリを開発する場合、地図データの収集・管理、経路検索アルゴリズムの開発など、膨大な時間とコストがかかります。
しかし、Google Maps APIのようなREST APIを利用することで、これらの機能を簡単にアプリに組み込むことができます。
Google Maps APIは、地図の表示、地点検索、経路検索、ストリートビュー表示など、地図アプリに必要な機能を網羅したREST APIを提供しています。
開発者は、Google Maps APIが提供するAPIを呼び出すだけで、これらの機能を自分のアプリで利用することができます。
このように、REST APIを利用することで、機能をゼロから開発する必要がなくなり、開発者はアプリケーション独自の機能の開発に集中することができます。
3.3 データの公開と共有
REST APIは、組織が保有する貴重なデータを外部に公開し、共有するためにも活用されています。
例えば、気象庁は、天気予報、気温、降水量、風速などの気象データをREST APIを通じて公開しています。誰でもこのAPIを利用することで、最新の気象データを取得し、自身のWebサイトやアプリで利用することができます。
また、公共交通機関の運行情報、観光スポット情報、地域イベント情報などもREST APIを通じて公開されるケースが増えています。これらのデータは、新たなサービスを生み出すための資源となり、社会全体の利便性向上に貢献しています。
まとめ:REST APIを理解してWebサービス開発を加速させよう!
この記事では、 REST API の基礎から、その特徴と役割、そしてWebサービス開発における重要性について解説してきました。
REST API は、まるで異なる言語を話す人々の間で円滑なコミュニケーションを可能にする「通訳者」のように、多様なシステムを繋ぎ、Web サービスの可能性を無限に広げています。
シンプルな構造と柔軟性を兼ね備えた REST API は、開発者に効率的で迅速な開発プロセスを提供するだけでなく、データの公開・共有を促進することで、新たなサービス創出の原動力となっています。
もはや REST API は、Web サービス開発の現場において、単なる「技術」の枠を超え、開発者にとって必須の「共通言語」としての地位を確立しつつあります。
この記事が、皆さんの REST API への理解を深め、Web サービス開発のスキルアップに繋がる一歩となることを願っています。
REST API を使いこなせるようになれば、より高度なアプリケーション開発に挑戦できるようになり、開発者としての活躍の場も大きく広がっていくでしょう。
さあ、REST API の世界を探求し、Web サービス開発の新たなステージへと踏み出しましょう!